今すぐ検証できるセキュリティと、これから提供するウォレット移行機能について
暗号資産における信頼は、ただ「信じてください」と言われるだけのものであってはなりません。自分自身で確かめられるものであるべきです。これは、Laceが行うすべての取り組みの根底にある考え方であり、だからこそ私たちは最近実施したセキュリティ監査について、何が見つかったのか、それに対して何をしたのか、そしてすべての詳細をどこで確認できるのかを、包み隠さずお伝えしたいと思います。
私たちが外部からの検証を歓迎する理由
Laceがオープンソースであることは、私たちの誇りであり、根幹をなす選択です。私たちがリリースするコードはすべて公開されており、世界中の誰もが中身を確認し、質問し、私たちに説明責任を求めることができます。しかし、オープンソースであることは話の半分にすぎません。もう半分は、悪意ある第三者に先んじて、セキュリティの専門家に私たちが構築したものを積極的に破ろうと試みてもらうことです。
だからこそ、私たちはNo Witness Labs に依頼し、ブラウザ拡張機能とモバイルアプリを対象とした3件の独立したセキュリティ監査を実施しました。これらの監査全体で、コードベース全体にわたり50件の指摘事項が挙げられました。
ここでの「透明性」が意味すること
定期的な独立監査は、Lace 1.0の最初のリリース以来、Laceの運営方法の一部となっています。これは一度やって終わりのチェック項目ではなく、私たちのリリースプロセスに組み込まれた習慣です。今回の3件の最新監査レポートは、Lace 2.0プラットフォームを対象としています。
監査結果への対応の全容は、監査対応ドキュメントでご確認いただけます。また、署名済みの監査報告書の原本は、監査レポートリポジトリからダウンロードいただけます。
すべての指摘事項に、対応または説明を
3件の監査で挙げられた50件の指摘事項はすべて、現在次の2つのカテゴリのいずれかに分類されています。
- 修正済み: 現在のコードベースで対応済みであり、修正箇所は該当するファイルや関数まで明示されているため、誰でも公開リポジトリで直接確認できます。
- 理由を明記した上での容認: 慎重な検討の結果、コードを変更しないという判断を意図的に下した、ごく少数の指摘事項です。その理由についても明確に説明しています。
そして、ここは誤解のないようにはっきりお伝えしたい点です。容認した指摘事項の中に、資金の損失、秘密鍵、またはリカバリー情報の漏えいにつながる経路となるものは一つもありません。この違いは非常に重要であり、私たちのチームも、各容認判断をレビューしたセキュリティエンジニアたちも、真剣に受け止めています。
主な変更点のハイライト
特に取り上げておきたい修正内容を、わかりやすくご紹介します。
- 新規ウォレットの鍵保護を強化。新しく作成するウォレットでは、暗号化キーの導出に、OWASPに準拠した最新の手法であるArgon2idを採用し、以前の、より単純な方式を置き換えました。
- 画像処理の安全性を向上。トークンやNFTのメタデータ画像を悪用して悪意のあるコードを実行しようとすることは、もうできません。
- パスワード試行回数の制限。ロック解除の試行は記録され、失敗が続くとロックアウト時間が段階的に延長されるため、総当たり攻撃は現実的な手段ではなくなりました。
- パスワード要件の強化。新規ウォレット作成時には、単に技術的な条件を満たすだけでなく、本当に強固なパスワードを設定できるようご案内しています。
- APIキーをサーバーサイドへ移行。残りのAPI呼び出しをすべてサーバーサイドのプロキシ経由にすることで、APIの不正利用リスクを軽減しています。
- メモリ管理の徹底。リカバリーフレーズや暗号化パスワードといった機密情報の取り扱いを、より厳格にしました。具体的には、Laceはリクエストの処理に必要なごく短い時間だけこれらのデータにアクセスし、処理が終わるとすぐにメモリから消去します。これにより、痕跡が残って誰かに見つかってしまう心配がありません。
あえて変更しなかったこと
優れたセキュリティとは、レポートに挙げられたことをすべて反射的に「修正」することではありません。実際のリスクを理解した上で、根拠のある、説明可能な判断を下すことです。私たちが自信を持って支持する判断の例をいくつかご紹介します。
- モバイルではSSL証明書のピン留めを現在行っていません。これを行うと、通常の証明書更新の際にアプリが動作しなくなるという実際のリスクと引き換えに、限定的なセキュリティ上の利点しか得られないためです。また、そもそもこの通信経路上を資金やセッション情報が流れることはありません。
- Torのサポートをウォレット自体に組み込むことはしていません。これは、ネットワークや匿名性に関する判断は、私たちではなくあなた自身に委ねるべきだという、意図的な選択です。通信経路をどのようにするかは個人の好みの問題であり、ウォレットが代わりに決めるべきことではありません。もう一段階のプライバシー保護を求める場合は、ご自身のVPNやTor環境の下でLaceを自由にご利用いただけます。なお念のため申し添えると、これらを使わずにLaceを利用しても、資金や鍵が危険にさらされることはありません。あくまでプライバシー上の好みの問題であり、セキュリティ上の弱点ではありません。
- ジェイルブレイク・root化の検知は行っていません。この種のチェックは、本来検出したいはずの攻撃者によって簡単に回避されてしまうためです。それよりも、お使いのデバイスが実際に備えているハードウェアレベルの保護機能に頼る方が確実だと考えています。
これらの判断はすべて、その理由とともに文書化されており、今後見直す条件についても明確に記載しています。何も固定的に決めているわけではなく、あくまで現時点での根拠に基づいた結論です。
ぜひご自身で確認をお願いします
「私たちのウォレットは安全です」と言うことは簡単です。でも私たちは、その裏付けをきちんとお見せしたいと考えています。
- 監査対応の全文 - すべての指摘事項について、修正内容または説明を掲載
- 署名済みの監査報告書原本をダウンロード
次のステップ:Laceへの移行をもっと簡単に
信頼はコードだけにとどまらず、実際にLaceへたどり着くまでの体験のしやすさにも関わってきます。だからこそ私たちは、近日中のリリースで提供予定のウォレット移行機能を開発中です。この機能は、乗り換えにありがちな手間をかけずに、既存のウォレットからLaceへスムーズかつ安全に移行できるよう設計されています。詳細は近日中にお伝えしますので、どうぞお楽しみに。

